【 一陽来福 】
慎んで初春のご挨拶を申し上げます。
麗らかな初御空を見上げてから一ヶ月
新たな春の足音がきこえる時候となりました。
酉年といえば、「大きく羽ばたく飛躍の年」との例えが好適ですけれど
私はこのような意味合いも素敵かなと思っています。
それは、「親鳥の巣作り」。
子供達を守るため、頑丈で暖かくて少しでも安全な場所にという親鳥の愛情で一杯の巣。
その巣に守られ、親鳥の運ぶ餌を啄みながら子供達は成長し、やがて巣立ちます。
ヒトも、トリも同じ営み。
命を授かって愛を受け、感謝が芽生えます。
酉年の一年はそんな事に想いを馳せて
いつもより愛情豊かに過ごせたら…きっと良い一年になりそうです。
【お正月の装い】
⚪ 着物…紅藤色の付け下げ。
一見すると色無地のようですが、前後の身頃に雪輪の模様が金銀箔で描かれています。
雪の多い翌年は豊年とされ、幸先の良い兆しとされて吉祥文様に扱われます。
⚪ 帯…濃はなだ色に宝尽くし文様。
刺繍で敷き詰められた宝尽くしは、お目出度さも満載です。
⚪ 帯締め…常盤色の丸ぐけ。
丸ぐけの帯締めは昔から上格位とされてきました。
常盤は常に青々しい緑を保つ常緑樹で縁起のいいものとされています。
私も今年は当たり前ではない全てのことに感謝をしながら
毎日を大切に生きていけたらと思っています。
そして大江戸和子でもスタッフに慶事が続きまして
報告を頂きながら私迄喜びに浸っているこの頃です。
そんな、一足先に春を迎えたような笑顔溢れる大江戸和子に是非お立ち寄りくださいませ。
末筆となりましたけれど、お客様皆様方のご多幸をお祈り申し上げます。
本年も大江戸和子をご愛顧の程、どうぞ宜しくお願い致します。
初釜で供された干菓子で、それぞれが竹と松と梅の形をしています。
松竹梅と、こちらもお目出度尽くしです。
二月立春
結城かづ子